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中小企業経営者のみなさま、『パワハラ』の対応は済んでいますか?

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改正労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)が2020年6月から施行されています(中小企業は2022年4月施行です)。

厚生労働省は2020年7月に、「令和元年度個別労働紛争解決制度の施行状況」で2019年度の全国の労働局・労基署に寄せられた相談件数を公表しました。

パワハラ等「いじめ・嫌がらせ」に関する相談は前年度比5.8%増の87,570件と過去最高を更新しました。

職場におけるパワーハラスメントとは、以下の3つの要素をすべて満たすものです。

  • 優越的な関係を背景とした
  • 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により
  • 就業環境を害すること(身体的若しくは精神的な苦痛を与えること)

また3つの要素を満たしているパワーハラスメントの代表的な言動の類型としては、次のイからヘがあります。

イ 身体的な攻撃(暴行・傷害)
ロ 精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言)
ハ 人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
ニ 過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害)
ホ 過小な要求(業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
ヘ 個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

パワハラ防止法の施行により、事業主は職場におけるパワーハラスメント防止のために、雇用管理上必要な防止措置義務が課されます。具体的内容としては、

・事業主によるパワハラ防止の方針の明確化と周知・啓発
・苦情・相談等に対する相談窓口等の体制の整備
・被害者のケアや再発防止対応


等が挙げられます。

このように事業主には防止措置義務が課されますが、直接的な罰則はありません。

しかし厚生労働大臣は、事業主に対して助言、指導または勧告をすることができ、違反している事業主が勧告に従わない場合はその旨の公表をする場合があります。

またパワーハラスメントの内容により、行為者・事業主には、懲戒等の処分や民事上・刑事上の責任が問われることがあります。

中小企業への適用を来年4月に控え、パワハラを含めハラスメント問題は、人的・経済的損失や信用失墜等に繋がり、中小企業の経営者も経営課題の一つとして、より一層の対策を進めていくことが必要です。

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