障害者雇用状況と法定雇用率の引上げ~厚生労働省集計結果より
雇用障害者数、実雇用率ともに過去最高を更新
12月22日、厚生労働省は令和5年の「障害者雇用状況」集計結果を公表しました。障害者雇用促進法では、常時雇用する従業員の一定割合(法定雇用率)以上の障害者を雇うことが義務付けられています。現在の法定雇用率は民間企業においては2.3%です(令和6年1月時点)。
同調査によれば、雇用障害者数は64万2,178.0人(対前年差2万8,220.0人増、対前年比4.6%増)、実雇用率2.33%(対前年比0.08ポイント上昇)で、雇用障害者数、実雇用率いずれも過去最高を更新しています。また、法定雇用率達成企業の割合は50.1%(対前年比1.8ポイント上昇)となっています。
精神障害者の雇用数が増加
雇用されている障害者の数については、身体障害者は360,157.5人(対前年比0.7%増)、知的障害者は151,722.5人(同3.6%増)、精神障害者は130,298.0人(同18.7%増)となっています。特に精神障害者の伸び率が目立つ結果となっています。
法定雇用率の引上げ
今後、法定雇用率は、令和6年度からは2.5%、令和8年度からは2.7%となり、段階的に引き上げられます。
同調査によれば、障害者を1人も雇用していない企業(0人雇用企業)は31,643社で、未達成企業に占める割合は58.6%となっているそうです。障害者雇用は未知の取組みであるという企業はまだ少なくありません。多くの企業で雇用が義務付けられるようになる中、企業としても、障害者雇用に関する各種相談・支援機関の利用や障害者雇用に関する助成金等の活用なども検討しながら、障害者雇用への取組みを進めていきたいところです。
【厚生労働省「令和5年 障害者雇用状況の集計結果」】
https://www.mhlw.go.jp/content/11704000/001180701.pdf