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2023年4月から中小企業でも月60時間超の割増賃金率が50%に引き上げられます

法改正

大企業では、2010年4月から月60時間超の法定時間外労働に対する割増賃金率が50%となっていますが、いよいよ来年2023年4月1日より中小企業にもその適用が拡大され、全ての企業が対象となります。

割増賃金率の詳細は、厚生労働省のリーフレットをご覧ください。

割増賃金率の変更と合わせて、注意すべきは未払賃金の問題です

2020年4月1日の改正民法および改正労働基準法の施行により、賃金請求権の消滅時効は2年から5年になりました。ただし、企業への影響を考慮し、当分の間、3年とする経過措置が設けられています。

この時効(3年)は2020年4月1日以降に支払日のある給与から適用されます。

例えば、2020年4月25日が給与の支払日の場合には、その3年後である2023年4月24日で消滅時効が完成します。2022年4月1日より改正民法の施行から3年目に入ることで、2022年4月以降に未払いの賃金等がある場合、これまで最大2年間の請求となっていたものが、最大3年分を遡って請求される事案の増加が予想されます。

特に時間外労働に対する未払いについては、2023年4月からの割増賃金率の引き上げと絡んで労働者の関心が高まるが予想されます。これまで以上にしっかりとした労働時間の管理はもちろんのこと、業務の効率化や人員の再配置等による時間外労働の削減が中小企業にとっては課題になってくると思われます。

また2023年4月からの割増賃金率の引き上げに合わせて、就業規則の変更が必要となる場合もあります。時間がある今のうちにしっかりと対応策を検討しておきましょう。

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